記者　Jonathan Marcus

　アフガニスタンのタリバーン政権の崩壊は誰が予想していたよりも早かった。
　ほんの十日ほど前には、アメリカの解説者の多くは、来年の春季攻勢を前提に、冬の戦いについてかたっていたものだ。
　しかし、タリバーンの急速な崩壊のため、アメリカの対テロ行動の次の予定は何か、ということに焦点があたってきた。
　ブッシュ政権はこの行動のはじまりに、標的は「世界規模のテロリズム」とかれらがよんでいるモノと位置づけた。
　タリバーン政権の処置はアフガニスタンにおけるアル=カイダの基盤をぶっつぶす前奏曲であり、まだまだステージ１だとみられていた。
　なにが次に来るのかはまだ発表されていない。

意見のくいちがい
　ブッシュ政権内でも、イラクを標的に入れるか入れないかということには、意見のくいちがいがある。
　優勢な意見は、次のステージに進むことは、国際的な同盟のタリバーン追討作戦への後ろ支えがよわくなってしまう、というものだ。
　北部同盟のめざましい成功と、タリバーンのあっけない崩壊のために、「次はなにか」ということが再び問われるようになった。
　米国防総省のポール=ウォルフビッツ副長官は、このはじまりにアメリカがおいていた戦略的ゴールにはまだ到達していないことをあきらかにした。
ひろがる対テロ行動
　かれのいうところによると、目標は、アフガニスタンのみならず、アメリカも含めた60ヶ国にもおよぶアル=カイダのネットワークにせまることだ。
　しかし、日曜（11/18）のテレビインタビューでは、この対テロ行動はすべての地球規模のテロリストネットワークと、それを助長する国に対するモノだと言った。
　ウォルフビッツ氏は常にアメリカのタカ派であり、作戦の範囲をできる限り広げようとしている。
　多くの人たちはこの対テロ行動のアフガン作戦はまだ終わっていないというだろう。
　オサマ=ビン=ラディンおよびその他のアル=カイダの指導者はまだつかまっていないし、アメリカの地上作戦もまだ続いている。
　しかし、ワシントンで話し合われていることはすでにこの対テロ行動で次をどうするか、にうつっている。