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洋行には三人の鬼子の掌柜(責任者)がいた。みな負傷して退役した元軍官だ。奸商からは手数料、荷運び人夫からは中抜きをし、おおいに金儲けをして、ブクブクと肥え太っていた。毎日荷物を運びおわると、王強は腹がおさまらないのをこらえながら、おひとよしの三掌柜(※)と帳簿をつけていた。
※掌柜zhǎngguì 店主、支配人、番頭、責任者。柜は櫃で、倉庫の鍵をもっている人のこと。チャンクエイだが、日本語的にはなまってチャンコだろう。
※三掌柜 三人のうち三番目の掌柜。
※奸商 日本人と取りひきをしているから、もしくは金持ちはみんな悪い奴だという思想から、奸の字がつく