鉄道遊撃隊(一)

  鉄道遊撃隊(一)  
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その日帳簿をつけおわったのは、既に夜も遅くなっていたころだった。突然、鬼子の大掌柜(※)が建物のなかで電話をうけているところが壁をぬけて聞こえてきた。王強は単語ながら鬼子語(日本語)がすこしわかったので、聴き耳をたてていると、どこかからなんらかの情報をもらったところのようで、大掌柜はずっと話し声をたてながら、すぐに憲兵隊に報告していた。

※大掌柜 三人の責任者の一番目。