鉄道遊撃隊(一)

  鉄道遊撃隊(一)  
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【内容解説】
 抗日戦争の間、魯南(山東省南部)棗荘(※1)の炭鉱と鉄道の工人は、共産党の指導のもと、鉄道遊撃隊(鉄道ゲリラ)を作った。山(※2)の部隊と協力し、臨棗線上で日寇(※3)相手にいさましいゲリラ戦を展開した。日寇は狂ったようにくりかえし「掃討」をかけたが、遊撃隊は棗荘の人民の支持のもと、敵がくりだす悪辣な陰謀を粉砕してゆき、輝かしい戦果を勝ちとった。この連環画シリーズでは、鉄道遊撃隊の勇ましい戦いを描く。すべてで十冊。
 第一冊「血染めの洋行」。日寇は棗荘を占領したあと、炭鉱区の人民をくるったように迫害していた。たくさんの人が山にのぼって遊撃隊に加わった。山での闘争にあわせてこの一帯の人民の武装抗日を指導するため、司令部は老洪(※4)、王強を棗荘に派遣して活動させた。両人は彭亮(ホウリョウ)と協力し、会社を襲撃して鬼子(※5)を殺す計画をたて、鉄道遊撃隊結成の準備をした。


※1 現在の山東省棗庄市。(庄は荘の簡体字)地図
魯南は山東省南部のこと。地方行政区分としては、汪兆銘政権が山東省の下に設置した四つの道(魯東魯西魯北魯南)のひとつとして1938年から1941年まで存続した。その前から魯南という言い方はある。
※2 山 棗荘の北には山岳地帯がひろがっていた。そのなかの抱犢崮の一帯に共産党が根拠地をつくった。そのことは連環画の冒頭で述べられる。
※3 日本でいう「元寇」のような言い方。
※4 洪さん。老は親しみをこめた言い方。慣れ親しんでいることをあらわす。年寄りという意味ではない。以下そのままつかう。
※5 guǐzi(クェイズ)。幽霊。侵略者。ここでは日本人のこと。ニュアンス的には常識の通じないよそもの、異星人という感じで、19世紀のころは西洋人に対して使われた。以下そのままつかう。