投降派宋江

  投降派宋江  
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前書き
 『水滸』は北宋末年の農民起義を主題とした古典小説で、投降主義を宣伝する反面教材である。この中で力をつくして讃えられている宋江は、投降派の典型である。
 宋江はもともと地主階級の忠臣孝子で、一貫して、「忠義」を言動の基準とし、「天子聖明」「造反有罪(※1)」と宣揚しており、高俅と同じ穴のむじなだ。彼らの間の闘争は、つまり地主階級の中でのこの一派とあの一派の闘争だ。彼が高俅一味にたてついたのは、封建統治集団のなかにはいり、皇帝をかしらとした地主階級の専制を維持強化するためだ。彼は梁山にのぼるやいなや、かねてからの計画どおり、指導権をぬすみとり、晁蓋の革命路線をあらため、腐敗役人にたてつくだけで皇帝にはたてつかない修正主義をやり、八方手をつくして招安をかちとり、革命をうりとばすためなのだ。

※1 文革中のスローガン「造反有理」(たてつくことには道理がある)「革命無罪」(革命に罪はない)をもじったもの。「反乱は罪」といったところか。