鉄道遊撃隊(八)

  鉄道遊撃隊(八)  
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芳林嫂は本当にあわてた。行かなければいけない。しかしここを去ろうとしても、こんなに病気の重い母親はどうやっても動かせない。老母は息もたえだえに娘に問うた。
「どうしたというんだい?」
芳林嫂は気をつよく持って言った。
「おびえないで、ただのデマよ!」