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役所では期限付き(※1)で晁蓋逮捕の命令を出した。晁蓋らは封建政権(※2)に対抗する革命の道を歩み、梁山にのぼった。義軍は上下団結して一心となり、革命事業はどんどん発展した。砦の柵をなおし、武器をつくり、水軍を創設した。毎日軍事訓練をおこない、いつでも官軍と戦えるように準備した。
※1 期限付きというのは、短期間の間にとらえないと、逮捕役が逆に処分されるということで、逮捕役に圧力をかけるもの。期限が過ぎたら無罪放免なわけではない。
※2 ソ連的歴史観では、人類の社会は 奴隷制社会→封建社会→資本主義社会→社会主義→共産主義 と展開していくものとされた。そして、西ヨーロッパで封建制(とされるもの)が倒れたことから、他の地域(たとえばロシア)でも打倒対象の体制に封建制のレッテルをつけた。しかし実際に西ヨーロッパで封建制(主君と騎士の土地と忠誠を交換条件とした主従関係)がおこなわれたのは西ヨーロッパでも中世初期であり、フランス革命であっても打倒したのは封建制度などではない。ここで言う封建というのは「敵」を意味する記号である。